学術活動札樽病院ブログ2022年11月25日

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2022.11.25 UP
第9回 日本小児理学療法学会学術大会で発表してまいりました!

2022年11月12日~13日、WEB開催された第9回 日本小児理学療法学会学術大会に当院理学療法士が発表・参加いたしました。

 発表したのは、高橋幸助による「発達性協調運動障がい児の縄跳び動作と神経学的徴候の関係」です。優秀演題候補にもノミネートしていただきました。発表の概要は以下のとおりです。

 発達性協調運動障がい(Developmental coordination disorder)は、明らかな脳損傷が無いにも関わらず、手指の微細運動困難や粗大運動困難・バランス機能の低下など多岐に渡ります。当院に通う小学生の多くは、授業で行う縄跳び動作でぎこちなさが著明に出現する傾向にあります。
 発達性協調運動障がい児は、脳画像上明らかにできない神経学的未熟さを示すとされている神経学的徴候(Soft Neurological Sign)が健常児に比べて出現しやすいと言われています。この徴候により本来の運動とは直接関係のない身体部位も動いてしまい、縄跳び動作の習熟を阻害する可能性があると考えました。
 そこで本研究では、当院に通院する発達性協調運動障がい児の縄跳び動作の成熟度と神経学的徴候の重症度との関係について調査しました。その結果、縄跳び動作と神経学的徴候の重症度に関しては直接的な関係はないことがわかりました。
 今後、他の身体機能との関係性を調査し、発達性協調運動障がい児の運動技能向上や心身の健康に繋がる理学療法を行えるように努めていきたいと思います。

 学会に参加して・・・当院の小児外来においても患者数が多い、発達障害児へのリハビリテーションについて、評価方法・治療方法など様々なことを学ぶことができました。長年、発達障害児へのリハビリに携わっている先生の講義から、子どもとその家族に寄り添った目標設定、信頼性の高い評価と治療の重要性を再確認することができました。今回の学会で学んだ評価や治療方法を生かし、当院でも質の高いリハビリテーションが行えるよう努めていきたいと思います。