札樽病院ブログblog

2024.10.25 UP
こどもの心理検査と長所活用型支援~公認心理士のお仕事

 こんにちは!公認心理士(臨床心理士)の半澤です。「心理士」と聞くと、皆様どのような想像をされますか?多くの方は「心のケア」などを想像するかもしれません。
 心理士の4大業務として「面接(心のケアはこれに該当)」・「査定」・「地域援助」・「研究」が挙げられていますが、当院や児童デイサービス・コパンの杜では、「査定」で患者様・利用者様と関わらせて頂いています。

「心理査定」「心理検査」とは?

 「心理査定」とは、心理検査や観察を通し、患者様や利用者様の特徴を多角的に捉えることです。

 心理査定の中でも実施頻度が多いものが「心理検査」です。乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層に実施する、知能、発達、学習、性格、認知検査の総称です。心理検査はご本人と1対1で実施するものから、保護者やご家族との面接式のものまで様々あります。

当院の心理検査について詳しくはこちら

長所活用型支援

「長所活用型支援」とは、文字通り、「長所」を「活用」した支援です。

 お子様の支援には、「短所を改善させる支援」よりも、お子様本人の意欲や自信につながる支援が最優先とされており、お子様の「できる」「得意」を活かす「長所活用型支援」が重要と考えています。「できる」「得意」を活かして課題を解決することで自信がつくと、苦手なことにも取り組む意欲が湧きます。そして、苦手なことに取り組んでいる際には「結果」のみに着目せず、取り組んでいる姿勢をたくさん褒めてあげることが大切です。

 心理検査では、お子様たちの「得意」「苦手」が明確に表れるものもあります。「得意」「苦手」を出すのみならず、「得意を活かした苦手な点の支援方法」や、「ご本人に合う学習方法」などを探ります。支援の際にはお子様相手であっても関係は「対等」でいることを意識し、課題の改善や「できる」を伸ばすために「二人三脚」で取り組んでいく姿勢が大切です。

 心理検査から得られた情報は、医師、リハビリ、コパンの杜のスタッフの皆様と共有し、支援に繋げています。困り感や不安なことがありましたら、ぜひ、ご相談ください!

参考文献:子どもの心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック(合同出版)