札樽病院ブログblog

2025.03.21 UP
小樽市の地域版介護予防教室で講師をしてまいりました!

 2025年3月19日に開催された小樽市の地域版介護予防教室で、当院の作業療法士が講師をしてまいりました。

 今回は、「介護予防~延ばそう健康寿命、MICの予防」というテーマで講義と体操を行いました。認知症の予備軍と言われている、軽度認知障害(MIC)とはどのようなものなのか、運動習慣と認知症との関連についてご紹介し、自宅でできるストレッチや筋力トレーニングの方法を参加された皆さんと一緒に実践しました。

 参加された方からは、こんな時どうすればいいの?という質問も多くいただき、勉強になったとの声が聞かれました。引き続き、地域の皆様の健康促進をサポートしてまいります!

 当院では、療法士の講師派遣を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

2025.03.18 UP
「エコー下穿刺」~穿刺ミスゼロを目指した人工透析部の取り組み

こんにちは、人工透析部・臨床工学技士の柴田です。私たち人工透析部は長生きできるように安全で安心していただける優しい透析治療を提供できるように努め、穿刺ミスを減らし、穿刺時の痛みを軽減することができるような取り組みをしています。
 2024年度は「穿刺ミスゼロを目指して!」を目標に、超音波診断装置を用いた「エコーガイド下穿刺(以下、エコー下穿刺)」を始めましたのでご紹介したいと思います。

エコー下穿刺導入の取り組み
*エコー下穿刺に使用する超音波診断装置

 

 

 

 

 

 

GE Health Care社のVscan Air CLを導入しました。(図1)

ワイヤレスのエコーとiPadを連携させ、血管をスキャンしながら的確に穿刺できるようにしています。

*スタッフの穿刺技術向上

 バスキュラーアクセスチーム(以下、VAチーム)を中心にシャントに関する知識や、穿刺の仕組みについて、エコー下穿刺を行うために必要となる基礎知識を学ぶ勉強会を行っています。エコーの機器の取り扱いやエコー下穿刺の手技については、「血管モデル」と呼ばれる様々な患者さまの血管を想定して作られた模型を用いて練習を行います。(図2)模型を用いた練習を何度も繰り返し行い、手技が定着したとVAチームが判断した後、VAチームが立ちあいのもと、実際に患者さまにエコー下穿刺を行います。エコー下穿刺を実施した後は、手技の上達に向けた改善点についてフィードバックを行っています。

*エコー下穿刺を開始して

 2024年度の穿刺ミスは現時点(2025.2月)で2023年度の1.4%から0.85%まで減少しています。エコー下穿刺を導入し、穿刺ミスはどんどん減少しております。穿刺ミスを減少させることは、患者さまの穿刺による苦痛を軽減させるだけではなく、シャントを長持ちさせることにも繋がるので、「穿刺ミスゼロ」を目標に今後は全スタッフがエコー下穿刺をできるような体制作りに取り組んでいきたいと思います。

2025.02.28 UP
回復期リハビリテーション病棟協会研究大会 第45回in札幌 で発表しました!

 2025年2月21日~2月22日、「回復期リハビリテーション病棟協会 第45回研究大会in 札幌」が札幌コンベンションセンターで開催されました。当院の作業療法士が参加し、2題の発表をしてまいりました。

演題

  • 作業療法士・佐々木 秀「施設外訓練の拡充に向けた当院作業療法課の現状と課題」
  • 作業療法士・荒井 英俊「当院における令和6年度診療報酬改定前後での運動器疾患患者のFIM利得の比較」

 他の参加者の方からは、「入院中の居室での過ごし方、集団の活用の観点で病棟全体として取り組むことで効果を感じている」などのご意見をいただき、大変参考になりました。

本大会から学んだこと

 今回の研究大会では、2040年問題に向けた新たな地域医療構想において、今後求められる回復期リハビリテーション病棟の役割について講演がありました。急性期病院との連携経過、回復期リハビリテーションの質向上(高度なチーム医療の提供)、退院後の生活支援が必要であることが講演で述べられていました。今後の回復期病棟の運営に必要な要点を学ぶことが出来ました。
 また、「患者様の能力だけでなく、その方の暮らす地域を育ててこそ、その人らしい生活を地域で送ることができ、地域貢献活動の重要性」、「身体拘束や転倒について、過剰な反応をするのではなく『活動』してもらうことを前提に適切なリスクマネジメントをすることの重要性」なども学ぶことができました。

これから

 当院のリハビリテーション部の取り組みでは、ロボットスーツHAL、iVESなどの最新機器を用いていますが、様々な治療法と使用することでより効果的に活用できることを学べました。リハビリテーション部全員でより質の高い治療法を選択実施できるように取り組み、よりよい回復リハビリテーション病棟を作っていきたいと感じました。今回学んだ内容に関しては、当院の回復期病棟に携わる全職種に伝達講習で還元していきたいと考えています。

2025.02.21 UP
コパンの杜3事業合同 「子育て はぐ」を開催いたしました!

2月19日(水)、コパンの杜3事業合同の「子育て はぐ」をオンラインで開催いたしました!

テーマ:「コパンの杜 卒業生 ~道のりの先へ~」

これまで子育てはぐを開催してきましたが、保護者さまからお子さま達の進路や将来についてのご質問・ご相談を受けることが多くございました。そこで今回は、上記表題の研修会を開催致しました。

内容としては、5名のお子さまの、これまでのご家庭・学校での様子や卒業時の様子、実際の支援や関わりのポイントについて、番外編として、就労支援に取り組んだ事例の紹介、サービスの紹介(説明)を行いました。

終了後には、保護者さまからのご質問や暖かいお言葉をたくさん頂戴いたしました。

「勉強会、ありがとうございました。 おかげさまで小学校を卒業した後のこと、まだボヤッとしかイメージできていなかったことが、少し具体的に見えてきました。 子供たちの成長をみながら少しずつ考えていければと思います。 先生がおっしゃってた通り、うちの子たちも時間とともに成長していることを日々実感しています。 それでも特に〇〇の幼稚園時代は、これからどうなっていくんだろうと途方に暮れていたこともよく思い出します。 これからも色々あると思いますが、子供たちのペースに合わせつつ、コパンの先生方にも相談しながら乗り越えていきたいと思います。 とてもためになる勉強会でした。 ありがとうございました」

「どうしても出来ないことや苦手なことに目が向いてしまい、そこを何とかしてあげたいと過ごすことが多かったことに気付かされました!もっと子供達のやりたい、好き、得意といったところにも目を向けていきたいなと昨日の講座を受けて感じました。 貴重なお話をありがとうございます。荻野先生の「成長しない子供はいないですから」という言葉に励まされ前向きな気持ちになれました。 いろんなお子さんの成長過程を伺うことが出来て、まだまだ子供達には伸びしろがたくさんあるんだなと感じました。 やりたいことが見つかった時に背中を押してあげられるように過ごしていきたいなと思いました。これからもよろしくお願いします。次回の子育て講座も楽しみにしています。」

「卒業の目安や、中高生の困りごと等想像もできなかったので勉強になりました。 他の保護者の方の質問を聞けたのがとてもよかったです。 またこのような機会があれば参加したいです。」

「本日は、大変勉強になりました。具体的なお話が聞けて、とても良かったです。ありがとうございました。」

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

次回の開催も当ホームページと公式インスタグラムでお知らせする予定です!皆さまのご参加をお待ちしております!

2025.02.21 UP
【銭函地域対象】介護予防教室を開催いたしました!

2月17日(月)、銭函の老人クラブ「元気会」の皆さんを対象に、「腰痛を防ぐ」をテーマにした介護予防教室を行いました。

今回は、当院の理学療法士が腰痛の種類や原因、予防策などについてご紹介いたしました。人の脊椎の形の説明も含めながら、原因の特定できない腰痛や、骨粗鬆症や圧迫骨折、脊柱管狭窄症など原因の分かっている腰痛について、痛みを引き起こしやすい姿勢や環境などについて、クイズを交えながらお話ししました。

最後には皆さんと一緒に、腰痛の軽減、予防対策に太もも・股関節・お尻周りのストレッチ、スクワットを行いました!参加者からは、「こんな時どうすればいいの?」「〇〇は効果あるの?」などたくさんのご質問をいただき、大盛況でした。

当院の整形外科でも、医師の判断により外来リハビリテーションを受けることができます。疼痛の軽減や、自主トレーニングの指導、楽にできる生活動作の仕方など様々な支援を行っています。お気軽にご相談ください!

整形外科についてはこちら

2025.01.21 UP
介護保険認定のメリット~当院ケアマネージャーがお手伝いいたします

 こんにちは!ケアマネージャーの高橋です。ケアマネージャーは、利用者様やご家族からの相談をうけ、必要な介護サービスが受けられるようケアプランを作成し、市町村やサービス事業者と連絡調整をしています。すでに介護認定を受けている方も、そうでない方も、介護サービスには多くの種類がありますのでぜひ知っていただきたく思います!

 認定された介護度によって利用可能なサービスは異なり利用料金も変わってきますが、介護認定を受けると、介護支援や家事援助、施設への通所・宿泊などのサービスを利用できるメリットがあります。福祉用具のレンタルや購入費の負担、自宅のリフォーム費用の支給なども受けることができます。

 当院では、訪問リハビリ通所リハビリも行っていますが、今回は訪問看護についてご紹介いたします。

札樽病院訪問看護ステーションひまわり

看護師がご自宅で療養されている介護や医療処置が必要な方を定期的に訪問し、主治医や担当ケアマネージャーと連携しながら様々な援助を行います。現在は常勤看護師3人、非常勤看護師1人が在籍しております。緊急時には24時間対応しています。

援助内容
  • 血圧、脈拍等の健康状態、病状の観察
  • 薬の管理や効果、副作用の観察
  • 医師の指示のもと医療的処置の実施
  • 散歩や家事などの日常生活動作の訓練
  • 入浴、排泄等の日常生活の支援
  • 介護者への介護指導など

札樽病院介護相談センターひまわり銭函

札樽病院には居宅介護支援事業所が併設しています。居宅介護支援事業所には、現在2名のケアマネジャーが在籍しており、利用者様は約75名いらっしゃいます。

要介護認定を受けた利用者様が、安心して在宅生活が送れるように相談業務や、介護保険サービスをご利用いただくためのサービス調整を行っております。

その他にも、介護保険の代行申請のお手伝いも行っております。相談は無料ですのでお気軽にご相談ください。

2025.01.09 UP
年末年始の特別入院食を提供いたしました!~栄養課の取り組み

皆様、年末年始はいかがお過ごしになられましたか?特別なお食事を楽しまれた方も少なくないと思います。当院でも、年末年始を病院で過ごす患者様もお正月の雰囲気を感じられるよう、12月31日~2025年1月3日の期間、しっかりと栄養計算をしつつ、いつもと違った豪華なお食事をご用意いたしました!

患者様からは、「ごちそうがいっぱいでよかった」、「全部美味しかったが、特に数の子が嬉しかった」「彩り良くお正月らしい食事だった」、「美味しいものばかりだった」などの声が聞かれ、大好評でした。

今年も、患者様の治療の助けになるよう栄養面でサポートしてまいります!

2024.12.17 UP
おせちを安全においしく食べたい!~言語聴覚士の話

こんにちは!言語聴覚士の木村です。年の瀬が近づいてきましたね。おせち料理を12月31日から食べるのは北海道の習慣で、元旦から食べるのが一般的のようです。実は、おせち料理は、食べにくいものが多く、噛む力や飲み込む力が弱い方には、ハードルが高い料理なんですよ。今回は、安全に食べやすい方法をご紹介いたします!

注意が必要な食べ物

昆布など繊維質が多いもの
歯ごたえや弾力のあるものー昆布巻き、タコ、かまぼこ、数の子、こんにゃく、また繊維質の多い根菜の煮物は噛むのが大変で窒息の危険性があります。

酸っぱい料理はむせる原因
なますや酢の物など、酢を使った酸っぱい料理は、むせやすいので注意が必要です。

パサパサしやすいもの
口の中の水分を吸収してしまうような、焼き豚などの加熱した肉類は飲み込みにくく窒息しやすくなります。また、きなこなどの粉状のものは、粉が気管内に付着しやすくむせやすい食材です。

口に貼りつくもの
正月の窒息リスクNo.1は、なんと言ってもお餅です。お団子やのりも貼りつきやすく注意が必要です。下の図は、当院で行った飲み込みの検査で、餅を食べたときの様子です。粘り気があり、噛んでも細かく切れずに、つながった状態で喉の奥に残ってしまいました。ごっくんの力が弱い場合、窒息の危険度が高いと言えます。

安全に食べる方法
  • 弾力のあるものは、薄く切ること、また硬い肉などは、圧力鍋などを使って柔らかく煮ると良いでしょう。
  • 酢の物は、酸味を控えめにしましょう。
  • ぱさつく食材は、片栗粉などで“あん”をつくり、からませて食べやすくできます。
  • 餅は小さく(1㎝角)切って、よく噛んでください。飲み込むまで周りの人が見守ると良いでしょう。しかし、飲み込みにくくなってきたら、お餅はできるだけ避けたい食材です。介護食タイプの歯茎や舌でつぶせる飲み込みやすい餅も販売されているので、活用できるかもしれませんね。※当院でも購入できます。ご希望の方は管理栄養士までご相談ください。
  • きなこ等の粉が舞いやすい食材は、避けるかとろみをつけましょう。
  • おせち料理は、塩分が多いので、1日1回は果物や生野菜を意識して摂取しましょう。
姿勢や食べ方の工夫

食べるときの姿勢を意識したことはありますか?不安定な姿勢だと、食べにくく飲み込みにくいんですよ。食べる環境を整えることも大切なんです。

万が一、窒息してしまったら

窒息のサイン
・咳込んだり苦しそうにしている
・声を出せず喉をつかむ動作をする(チョークサイン)


・顔色が悪い

喉に詰まった時にまず行うこと
・できるだけ強い咳をする
・咳ができない時は窒息と判断し119番通報をする
・呼びかけに反応しない場合は、直ちに心肺蘇生法を行う

自宅でできる詰まった食べ物の除去方法
・背部叩打法・ハイムリッヒ法

背部叩打法で窒息物が排出されない場合に、ハイムリッヒ法を試し、交互に行うことが推奨されています。

注意点
※幼児は内臓を傷つける恐れがあるためしてハイムリッヒ法を行ってはいけません。
※高齢者でも内臓を痛める可能性があるため、ハイムリッヒを実施した場合は救急隊員にその旨を伝えるか、速やかに医師の診察を受けることをお勧めします。
※掃除機の使用は、あくまで最終手段です。窒息した際に掃除機を使用すると、舌を吸い込んだりノズルの先で窒息物を押し込んでしまうことがあります。また、不衛生かつ吸引圧で肺を傷つけてしまう恐れがあります。
最後に

言語聴覚士は飲み込みの評価やリハビリテーションを行っています。食べる楽しみを維持して、ちょっとした工夫で安全に、美味しく食べていきましょう!

昨年、当院の入院患者様に提供した年末年始のお食事をご紹介!今年も特別食を提供する予定です。お楽しみに!

2024.11.22 UP
第8回アジア太平洋作業療法学会で発表いたしました!

 2024年11月6日~11月9日に札幌コンベンションセンターで開催された「第8回 アジア太平洋作業療法学会」(APOTC 2024 : The8th Asia Pacific Occupational Congress 2024 in Sapporo)で当院の作業療法士が演題発表と実行委員として参加してきました。アジア諸国・オーストラリア・ニュージーランドを主とする2000人以上の作業療法士が、札幌に集結し、本大会過去一の参加人数で、盛会となりました。文化背景や考え方が異なる作業療法士が、「互いに支えあう地域づくり」を共通テーマとし、活発な意見交換がなされました。

 私たちは、臨床での経験をもとに、「For children with developmental coordination disorder, improvements in symptoms were associated with the provision of appropriate sensory stimulation and skill training」という演題でポスター発表をいたしました。

 国籍問わず、たくさんの作業療法士が聞きに来てくれたことはとても嬉しく、自信につながりました。また、日本文化体験コーナーでは、外国の方に説明するという役割があり、ちぎり絵や折り紙、習字、日本茶のお点前を実施し、多くの外国人の方に日本文化を体験していただき、喜んでいただきました。国際学会での発表は、自身2回目となります。とても大きなpowerをいただけた学会でした。今後も日々の臨床に生かしていきたいと思います。



2024.10.25 UP
こどもの心理検査と長所活用型支援~公認心理士のお仕事

 こんにちは!公認心理士(臨床心理士)の半澤です。「心理士」と聞くと、皆様どのような想像をされますか?多くの方は「心のケア」などを想像するかもしれません。
 心理士の4大業務として「面接(心のケアはこれに該当)」・「査定」・「地域援助」・「研究」が挙げられていますが、当院や児童デイサービス・コパンの杜では、「査定」で患者様・利用者様と関わらせて頂いています。

「心理査定」「心理検査」とは?

 「心理査定」とは、心理検査や観察を通し、患者様や利用者様の特徴を多角的に捉えることです。

 心理査定の中でも実施頻度が多いものが「心理検査」です。乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層に実施する、知能、発達、学習、性格、認知検査の総称です。心理検査はご本人と1対1で実施するものから、保護者やご家族との面接式のものまで様々あります。

当院の心理検査について詳しくはこちら

長所活用型支援

「長所活用型支援」とは、文字通り、「長所」を「活用」した支援です。

 お子様の支援には、「短所を改善させる支援」よりも、お子様本人の意欲や自信につながる支援が最優先とされており、お子様の「できる」「得意」を活かす「長所活用型支援」が重要と考えています。「できる」「得意」を活かして課題を解決することで自信がつくと、苦手なことにも取り組む意欲が湧きます。そして、苦手なことに取り組んでいる際には「結果」のみに着目せず、取り組んでいる姿勢をたくさん褒めてあげることが大切です。

 心理検査では、お子様たちの「得意」「苦手」が明確に表れるものもあります。「得意」「苦手」を出すのみならず、「得意を活かした苦手な点の支援方法」や、「ご本人に合う学習方法」などを探ります。支援の際にはお子様相手であっても関係は「対等」でいることを意識し、課題の改善や「できる」を伸ばすために「二人三脚」で取り組んでいく姿勢が大切です。

 心理検査から得られた情報は、医師、リハビリ、コパンの杜のスタッフの皆様と共有し、支援に繋げています。困り感や不安なことがありましたら、ぜひ、ご相談ください!

参考文献:子どもの心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック(合同出版)

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