今回は、放射線課からのご案内です。皆さんは乳がん検診を受けたことはありますか?毎年、10月1日から31日の1カ月間を「乳がん月間」とし、日本では、早期発見・早期治療を啓発するピンクリボン運動が行われます。
乳がんは女性の部位別がん罹患数1位のがんで30代から急増し、40代後半からはさらに増加すると言われています。一方で、早期発見、早期治療での治癒率が高いので、がん検診が非常に大切な病気です。しかし、日本は先進国の中でも、乳がん検診率が低く、アメリカの80%以上に対し、約半分の40%位にとどまっています。
札樽病院では、マンモグラフィー検査はNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構の認定を取得した女性技師が、ほとんどの検査を担当していますので、安心して検査を受けていただけます。
札樽病院の乳がん検診(触診とマンモグラフィー)
- 予約制です。こちらまでご連絡ください。 担当:(0134)62-4676(直通)
- 検診日:月曜~金曜(祝日除く)9:00~11:30/13:30~16:30
土曜日 9:00~11:30 ※女性技師が不在の場合もございます
- 小樽市にお住まいで検診費用が無料となるクーポン券が届いた方は、クーポン券をご利用できます。当日、ご持参ください。
2023年は記録的な猛暑でしたが、今年の夏も昨年並みになる可能性があるようです。エアコンを設置したご家庭も多いのではないでしょうか?皆さんはどのような対策を練っておられますか?
熱中症予防の一つには、暑くなる今の時期に、事前に体を暑さに慣れさせることが大切です。汗ばむ程度の無理のない運動(ウォーキング、サイクリングなど)をできれば毎日行う、入浴時にはシャワーだけでなく湯船につかることなどが勧められています。
本格的に暑くなる前から、身体づくりや熱中症の予防に努めていきましょう。今回は、暑さ対策と自分や周りの人が熱中症の症状がある時にどうしたらよいのかご紹介いたします。
熱中症予防
- 衣服:吸汗・速乾素材や通気性のあるもの、屋外では明るい色のものを着用しましょう。屋外では帽子も着用しましょう。アイスベストや熱中症対策の作業着なども活用できます。
- 環境:高齢者は、暑さを感じにくい場合があります。暑いと感じなくても気温が高いときは、屋内では扇風機やエアコン、窓を開けるなど換気をして、室温の上昇に注意しましょう。
- 水分:脱水になると熱中症になりやすくなります。喉が渇く前、あるいは暑いところに出る前からこまめに水分を補給しましょう。
- 運動:屋外で運動する場合、運動前に水分補給をしましょう。暑さ指数に応じ、こまめな休息や水分補給をとりましょう。熱中症警戒アラートが発表された場合は、運動を中止しましょう。子どもの場合、顔が赤く、ひどく汗をかいている場合には、深部体温が上昇している可能性があります。涼しい環境に移動し休息しましょう。
熱中症の判断と応急処置
疲労や睡眠不足のとき、肥満、慢性疾患がある方、いつもより体調が悪いときも注意が必要です。暑い環境下ではこまめに休息し水分補給をとりましょう。当院の一般内科でも、熱中症の治療を行っています。体調の異変を感じたらご相談ください。
はじめまして 地域連携部 社会福祉士の髙﨑です。
2024年2月15日から札樽病院の地域連携部 部長として配属になりました。どうぞよろしくお願いいたします。
地域連携部って?
皆さま「地域連携部」とは何をするところかご存じでしょうか?簡単に申し上げますと「地域の医療機関や介護サービス事業所などとの連携窓口となる部門」です。近年では多くの医療機関にこの「地域連携の窓口」が配備されており、病院にかかる患者さんが他の病院にかかりたい、入院したい、福祉のサービスを利用したい時などに「つなぎ」の役割を果たしています。
また、この地域連携の窓口に「患者相談窓口」が併設されているところも多く、札樽病院の地域連携部も同様の役割を担っています。
どんなことを相談できるの?
病気になると通院のこと、入院のこと、この先の生活のことなど、分からないことや不安なことが次々と出てくることも少なくありません。そんな時に地域連携部にいる「社会福祉士」や「入退院支援看護師」がご相談に乗り、病気を持ちながらでも住み慣れた地域で安心して生活が送れるようにお手伝いをさせていただいています。
「外来リハビリに通いたい」「入院でリハビリをしたい」という相談から、「介護サービスの利用方法を知りたい」ということや「老人ホームってどんなところ?」など、さまざまなご相談に対応しておりますので、気になることや聞いてみたいことなどがありましたら、お気軽に「札樽病院 地域連携部」にお問い合わせください。
お問い合わせ先
TEL:0134-62-5851(代表)札樽病院 地域連携部
地域連携部について、詳しくはこちらをクリックしてください。
こんにちは。人工透析部・臨床工学技士の柴田です。
2022年7月1日(金)に行われた第67回 日本透析医学会学術集会で「3Dプリンターで作成したシャント血管模型の活用~穿刺ミス減少への取り組み~」を発表させていただきました。その内容を少し紹介させていただきたいと思います。私たちは「優しい透析治療を実施する」ことを目標に掲げていますが、(詳しくはこちらをご覧ください)特に、シャントを大事にしており、シャントをダメにしないように様々な取り組みを行っております。その中の一つで穿刺ミスを減少させるという取り組みについてご紹介いたします。
穿刺ミスを防ぐ工夫
穿刺ミスは様々な原因で引き起こされますが、その中で一番多いのは穿刺困難の患者様です。なぜなら穿刺困難な血管は、駆血をしても血管が浮き出ない・シャントの血管の形状や走行がわかりにくいからです。この問題を解決するために、当院の診療放射線技師、作業療法士にも協力をいただき、CTを利用して血管の形状・走行を可視化し、CTの画像と実際の血管を比較できるようにするため、3Dプリンターでシャント血管模型を作成しました。
この模型を使用し、穿刺前に実際の血管とシャント血管模型を見比べ血管の形状・走行を確認してから穿刺を行い、実際の血管と見比べることで穿刺ミスの減少に有用であるかを検証しました。(写真は実際のシャントの血管・CTの血管画像・シャント血管模型)
シャント血管模型の成果
穿刺困難な2名の患者様のシャント血管模型を作成し、穿刺成功率を比較しました。
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Aさん |
Bさん |
シャント模型を見ずに穿刺 |
93.6% |
93.2% |
シャント模型を見て穿刺 |
98.4% |
97.5% |
シャント血管模型を見ずに穿刺した場合と見た後に穿刺した場合の成功率は、2名とも見た後に穿刺した方が上昇するという結果が得られました(※様々な条件、検定方法などは省略しましたが、結果としてχ²検定という検定方法を行い、p=0.049,0.023と有意差を得ています)。
また、このシャント血管模型を用いることで、新たな穿刺部位の発見やシャント血管に対する損傷防止、穿刺の教育にも有用であることがわかりました。
私たちは今後も穿刺時の痛みや穿刺ミスがゼロとなるように様々な取り組みを行っていきたいと思っています。
こんにちは。栄養管理室です。
今年も年末年始の行事食を提供いたしました!コロナの感染対策で患者様が外泊するのが難しくなり、院長の提案で始まった年末年始の行事食ですが、年々パワーアップしています。
普段から人気のパン食やカレーをちょっとアレンジしたり、折りに入れたり、ピックを使った食材の彩りも考えて献立を作成しました。いつもどのように盛り付けをしたら美味しそうに、綺麗に見えるかを追求していますが、年末年始もきちんと華やかさが出るように工夫いたしました!
患者様からは、「正月らしい献立で自宅にいるより豪華だった」「彩りがすごい良かった」、食事形態に制限がある方も普段と違う感じがしたとの嬉しい声をいただきました。
引き続き、患者様の栄養管理と食事が楽しめるよう努めてまいります。
札樽病院訪問看護ステーションひまわり
私たち訪問看護師は、介護や医療処置が必要な方、ご自宅での生活に不安を感じている方に看護師が定期的に訪問し、様々な援助を行います。
主な援助内容としては、
1.血圧、脈拍等の健康状態、病状の観察
2.薬の管理や効果、副作用の観察
3.医師の指示のもと医療的処置の実施
4.日常生活動作などの訓練
5.認知症のケア
6.入浴、排泄等の日常生活の支援
7.介護者への介護指導、精神的支援
8.主治医、ケアマネなどへの連絡
9.緊急時の対応
など行っています。詳しくは、「札樽病院訪問看護ステーション」のページをご参照ください。https://www.sasson-hospital.jp/department/section04/visitingcare
札樽病院介護相談センターひまわり銭函
札樽病院には居宅介護支援事業所が併設しています。
居宅介護支援事業所には、現在3名のケアマネジャーが在籍しており、利用者様は約100名いらっしゃいます。
要介護認定を受けた利用者様が、安心して在宅生活が送れるように相談業務や、介護保険サービスをご利用いただくためのサービス調整を行っております。
その他にも、介護保険の代行申請のお手伝いも行っておりますので、お気軽にご相談ください。
詳しくは、居宅介護支援事業所ひまわり銭函のページを参照してください。「https://www.sasson-hospital.jp/department/section04/care-himawari
こんにちは。札樽病院薬剤部です。皆さんもワクチンについて多く考える1年だったのではないでしょうか?
免疫とは?
赤ちゃんがおたふくかぜにかかってなおると、「この子はもう生涯、おたふくかぜにはかからない」といいます。このように「一度おたふくかぜにかかったので、もう二度とかからない」ことを、「おたふくかぜに免疫を持っている」といいます。
「免疫」とは「疫(えやみ=やまい)」から「免れる」ということです。免疫ができる病気はいくつか知られていますので、適応力の大きい乳幼児の時に、あるいは健康な時に、あらかじめ免疫を作り上げる工夫がされています。「免疫をつくる種(たね)」をワクチンといいますが、これを注射したり皮膚に付けたりして、その病気に対する免疫力を造るのです。
ワクチンとは?
ワクチンとは「牛の疱瘡から造った免疫の種」というドイツ語「バクチーン」を借りた言葉で「種痘」と翻訳されますが、疱瘡以外の病気についても「免疫の種、免疫を造る薬」という意味で使われます。免疫ができる病気はいくつか知られていますので、適応力の大きい乳幼児の時に、あるいは健康な時に、あらかじめ免疫を作り上げる工夫がされています。「免疫をつくる種(たね)」を注射したり皮膚に付けたりして、その病気に対する免疫力を造るのです。
また、ワクチンを接種することを予防接種といいます。最近では2020年から新たに発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、ワクチンによる感染や疾病の予防について期待が高まり、その重要性が認識されています。
ワクチンの歴史
ワクチンというのは1796年にイギリス人医師ジェンナーが天然痘ワクチンを8歳の少年に対して接種したのが始まりといわれていて、それから220年あまりが経過しています。その間、多くの先人たちによりワクチンの製造技術、品質管理の技術の進歩がなされてきました。ワクチン類は、これまでの感染症の予防と治療の分野で大きな役割を果たしてきました。細菌学・ウイルス学・免疫学などをはじめとする学問の進歩が見覚ましいものがある一方、世界的には2009年のパンデミックインフルエンザ、中東呼吸器感染症(MERS)、アフリカにおけるエボラ出血熱、COVID-19が世界に多大な影響を与えており、今後も新興感染症の発生に注視が必要です。
とはいえ、1980年5月、WHOが天然痘根絶を宣言したように人類は脅威であった感染症を一つ地球上から無くすことができました。
予防接種の意義
COVID-19についても、発生当初は、三密の回避、マスク、手指衛生など薬物以外のものに頼らざるを得なかった予防方法も、異例の早さで開発・実用化が進められたワクチンの登場によって、薬物による予防ができるようになり、対応も大きく変わりました。一方、COVID-19の勢いに押されたのか、あるいは薬物以外の手法が功を奏したのか、季節性インフルエンザや小児を中心とした多くの一般的な感染症は軒並み減少しました。しかしこれも感染症パターンが変化し、海外では激しいロックダウン等から小児の定期予防接種を受ける機会が減り、予防接種によって防げる疾患の発生等が危惧されています。国内でも同様の傾向が一部みられていますが、全般的には定期接種は粛々と進められています。
ちょっと違う地域の話になりますが、世界では約880万人の5歳未満のこども達が亡くなっていて(2008年)そのほとんどが開発途上国や戦争下の子どもたちです。死亡の原因のほとんどが感染症によるものであり、その17%のこども達は予防接種(ワクチン)で予防できるものです。感染症はCOVID-19のみではありません。
ワクチンがあるものはワクチンできちんと防ぐ、今こそより大切です。
こんにちは。ケア・サービス課の鎌田です。ケア・サービス課では、各種健康診断を担当しています。さて、皆さんは特定健診を受けられていますか?特定健診とは、40歳~74歳の方を対象に、生活習慣病予防のために、おもにメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診のことです。
生活習慣病の特徴は自覚症状がないままに進行していき、症状があらわれたときには、重症化していることもあります。手遅れになる前に生活習慣の改善をはじめましょう。そのためには、まずご自身の健康状態をチェックすることが大切です。特定健診をまだされていない方は是非受けることをお勧めします。
メタボリックシンドロームとは??なぜ問題なの?!
肥満=メタボリックシンドロームではありません。内臓のまわりに脂肪がたまりすぎると、体に直接害を及ぼす物質(悪玉ホルモン)が分泌され、高血圧・脂質異常・高血糖を引き起こします。ある一定の基準を超えると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。そのまま放置すると動脈硬化を進行させてしまいます。さらに喫煙が加わるとさらに動脈硬化が悪化していきます。すると、心疾患や脳卒中などの病気を引き起こしやすくなるのです。
メタボリックシンドロームの診断基準
- 血糖:(空腹時血糖、随時血糖)100mg/dl以上または、HbA1c(NGSP値)5.6%以上
- 脂質:中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl以上
- 血圧:収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
生活改善のポイント
- 今より1日10分多く体を動かす
- よく噛んでゆっくり食べる
- 毎日、体重をはかる
毎日の生活の中で出来ることばかりですので是非実践してみてください。
当院の特定健診はご予約不要です。ただし、胃がん等他の健診ご希望の方は、ご予約をお願いしております。詳しくはこちらをご覧ください。
受付時間: 平日 9:00~11:30 13:00~16:00
こんにちは。臨床心理士(公認心理士)の井村です。札樽病院で臨床心理室は2020年1月に新設されました。今回は臨床心理室の仕事内容についてご紹介いたします!
臨床心理士は、病院や学校など様々な分野で活動する職業です。大きくは、①面接(カウンセリング)、②査定(アセスメント)、③地域援助、④研究の4つを主軸としています。簡単に言うと、心の問題に取り組む専門家です。札樽病院の臨床心理室では主に小児発達外来の患者さんに関わっています。
具体的には、知能検査、発達検査、認知機能検査など各種心理検査を実施します。結果は医師、リハビリ職員、患者様ご本人やご家族などと共有し、治療方針や療育方針を立てる際に活用します。また、必要に応じ、患者さんの通われている園や学校を訪問し、実際場面での様子から心理的観点で行動を評価し、関わり方の提案等を行います。
詳しくは臨床心理室のページをご覧ください。
一人部署ですが常に他部署のスタッフからたくさんのことを学んでいます。また、札幌市や小樽市の臨床心理士の仲間との勉強会や、全国の研修会に定期的に参加し、得られた知見を患者さんや他部署へ還元できるように努めています。忙しい時には分身の術を使いたくなりますが、とてもやりがいのある仕事です。
こんにちは!看護部長の須貝です。気がつけばもう夏ですね。これから暑くなるにつれコロナ感染症だけではなく、熱中症にも気をつける必要があります。熱中症は、身体から熱が放射されず体温が下がらないこと(体温上昇)、汗が出で体内の水分・塩分が不足(脱水)して体温調節のバランスが崩れると起こりやすくなります。高齢者の熱中症は、自宅で起こることが多いのも特徴です。
環境省と厚生労働省からも熱中症予防に関するリーフレットが出ていますので、ぜひ参考になさってください!(環境省、厚生労働省 令和3年6月熱中症予防×コロナ感染防止で「新しい生活様式」を健康に! ※使用許可を得ています)
予防法
- ソーシャルディスタンスを保ち、屋外ではマスクをはずせる時にはマスクをはずしましょう。
- のどが渇いていると感じなくても、こまめな水分補給を心がけましょう。
- 小さなお子さんや、高齢者がいるご家庭ではエアコンを上手に利用しましょう。
- 涼しい服装、吸汗・速乾素材の衣服・帽子を着用しましょう。
- 暑い日は決して無理をしないでください。
熱中症を疑ったときにすべきこと
- 日陰やエアコンが効いている場所に避難
- できるだけ早く体温を下げる(ベルトやネクタイなどをゆるめる、氷のうなどがあれば脇下・大腿の付け根などに当てる)
- 水分・塩分の補給
- 意識がおかしい時(症状がⅡ度・Ⅲ度のとき、自力で水分摂取ができないとき)は医療機関へ搬送する
当院ではコロナワクチン4回目接種を開始しています。感染症や熱中症を予防しながら暑い夏を乗り切りましょうね!