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2021.02.15 UP
健康コラム「TIAと脳梗塞 part4」【銭函リハビリテーション学校】

今回は、脳神経外科・村井宏医師による、「TIAと脳梗塞 最終回」です。

過去3回に渡りTIAを生じた例について説明して来ましたが、血流が不足して、運動麻痺や感覚障害、口のもつれなどの神経症状が一時だけ現れ、脳細胞が死滅する前に血流が再開して短時間で症状が消失する状態がTIAです。しかし原因が解決されずに放置されればまた同じ状態が起こる可能性があります。しかも今度起こった時には脳が傷んで脳梗塞になってしまうかもしれません。TIAは起こってから早い時期に脳梗塞に移行する例が多いことが分かっており、 いったん症状が消えた人の15-20%が3カ月以内に脳梗塞になります。しかも、その半数はTIAの症状後2日以内に起きと言われます。一方でTIA発症1日以内に治療を受けた場合は3か月間の大きな脳卒中は2.1%にしか起こりません。しばらく置いてから治療を受けた場合に比べて大きな脳卒中が起こる確率は80%も軽減されます。

TIAは一旦症状が消えても検査・治療を急がねばならない「大変だ(T)、急げ(I)、当たる(A)かもしれない」という大切な出来事です。脳梗塞の全てにTIAの状態が存在するわけではありませんが、一時的にでも症状が出た時には「放置しないで、病院に早くかかりなさい」というサインだと考えて下さい。

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