2020.10.19 UP
第21回 神経変性疾患
※HPリニューアルにつき、過去に投稿した記事を再投稿しております。
神経組織は、形態からみた、中枢神経と末梢神経の区別、中枢神経での白質と灰白質の区別、機能からみた精神機能系、言語機能系、運動系、感覚系、協調運動系、自律神経系など、様々な角度、様々な面での分類があります。
それらの分類の中の一部だけが、他の部と比して桁違いに機能を低下させたり形態的変化を受けたりする、いわば病的と言える状態があります。
この状態の原因が、血管障害、感染症、代謝性疾患、腫瘍、中毒、外傷、脱髄などが否定されて同定不能で、言わば原因不明で起きる神経組織の疾患を「神経変性疾患」と呼んでいます。
ここで、話を変えて、「老化」という現象を取り上げてみたいと思います。
生き物は、年齢とともに、組織の変化が進み、機能が落ちてきます。
それが「老化」で、逆戻りさせることも止めることもできません。
そしてその原因はいまだわかっていません。
その状況は、「神経変性疾患」とよく似ています。
言ってみれば、「神経変性疾患」とは、神経の特定の部位に、急速に進む老化現象が起こったものと例えることができます。
別な例えでは、「老化」は普通列車で進むのに、「神経変性疾患」は新幹線で進むといえばわかりやすいかもしれません。
次に、「神経変性疾患」はそれだけでも一冊の教科書が書けるくらい広い範囲のものですが、ここでは、神経の中で侵される部位毎に、どういう病気があるか一つの例をお示しします。
- 大脳皮質 アルツハイマー病
- 大脳基底核 パーキンソン病
- 小脳 脊髄小脳変性症
- 脊髄 筋萎縮性側索硬化症
- 末梢神経 シャルコマリーツース病
次回、第22回は「リハビリテーションの目指すもの」です。