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2019.07.23 UP
第14回 痛み

 

 

※HPリニューアルにつき、過去に投稿した記事を再投稿しております。

痛みは、図1上向きの矢印のように身体の組織から脊髄、(脳幹を経由し)、視床へと上行性に伝わり、大脳皮質痛に到達して痛みとして感じられます。
また、体の組織に痛みの原因がなくても、この経路のどこかで刺激されたり障害されたりすると痛みとして感じられます。

一方、脳幹から脊髄へ伝わる「下行性疼痛抑制系」という、脳幹から脊髄まで下行する経路もあります。
この系は軽微な痛み痛みとして感じずに済む働きをもつのですが、この系の働きが弱くなると、痛みに極度に過敏となり、通常は痛みと感じないような軽微な感覚も痛みとして強く感じる病的状態が出現します。
また、痛みが大脳皮質から辺縁系という感情を支配する大脳の領域へ伝わり、痛みだけでなくつらさ恐怖を感じるようになることもあります。

 

痛みに対する薬は、上記のどこに効くかグループ分けされます。
通常の痛みをその現場で軽減させる、昔ながらの鎮痛剤もあれば、視床への刺激で出た痛みを抑える薬、下行性抑制系が弱くなって出た痛みを軽減する薬、辺縁系への伝導を調節する薬などいくつかのグループがあります。

痛みの出た機序や症状を判断してもらいながら薬をうまく処方してもらいましょう。

 

 

次回、第15回は「痙攣(けいれん)」です。

 

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